鬼談百景 (幽BOOKS) 怖い話の本買取りいたします。

古本買取 京都

Yさんの娘は、近頃ようやく単語をいくつか喋れるようになったところだ。
お気に入りの玩具は「みふぃ」のぬいぐるみで、お気に入りの遊びは「ぶ
らんこ」。ぬいぐるみはYさん自身がお友達として買い与えたものだが、
なぜブランコが好きなのかは、よく分からなかった。あまりに「ぶらんこ」
と言うので、公園のブランコに抱きかかえて坐ってみた。ところがこれは
「ぶらんこ」とは違うらしく、ブランコに乗っていながら、「ぶらんこ」
と言ってむずがる。
「いったい何なんだろうなあ」Yさん夫婦は首をひねっている。そもそも少
し不思議なところのある子なのだ。
動物や子供には、大人の眼には見えないものが見える、という。何かの折に
ふっと視線を上げ、そしてしばらく食い入るように宙を見ている。楽しそう
に笑い声を立てながら、宙を指差すこともある。
実を言うと、Yさんは今住んでいる部屋があまり好きになれなかったのだ。
旦那さんの職場に近いうえ、家賃も安かったのでその部屋に決めたものの、
マンション自体、どことなく暗くて気に入らなかった。部屋もなんだか空気
が淀んだ感じがする。そんなに古い建物でもないし、どちらかというと垢抜
けたスタイルの部屋なのに、なんとなく気の塞ぐ感じがするのだ。そればか
りではない。時折、ふと理由もなくぞっとすることがある。夜中などに、妙
な物音が耳につくこともある。それはさーっと何かが物を撫でるような音だ。
そんなある日のことだ。Yさんが洗い物をしていると、背後で娘が楽しそうな
笑い声を上げた。機嫌良く遊んでいるなあ、と思いながら洗い物を終えると、
娘が妙なものを提げていた。「みふぃ」の首に紐をかけて、それを振り回して
笑っている。 何してるの、と声を荒げると、娘はきょとんとして、「ぶらん
こ」と言った。
以来、Yさんは娘が宙を見つめていると、そこに異常なものがぶら下がってい
るような気がして、怖くて堪らない。
小野不由美が描く九十九の怪異。読むほどに不穏な闇は深まり、恐怖がいや
増すーー。百物語怪談文芸の最高傑作、ここに誕生! 『幽』好評連載に加え
新作十八編を書き下ろし収録。(抜粋掲載)

霊感のない私は「生きてる人間の方が怖い」と言いながらも怪談は結構すきで、
知人などが体験した心霊現象などを、「うそやろー」とか言いながら、自分は
霊感がなくて良かったと思いながら楽しんでいます。

しかし、しょっちゅう怖い体験をする人もいないので、たまに百物語などの怪談
集を読んだりしますが、中々本当にゾッとする話は少ないですね。
もしかしてこれは本当にあった出来事なのではないかと強く感じさせるような
本があればアートメディアにお売り下さいね。

怖い話の本・恐怖体験談・ホラー・ミステリー・心霊・超心理学の本買取りいたします。

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